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みなみレポ寄せ集め

みなみレポ

利久にたずねよ~狂おしき<肉>の快感。~

時は平成二十六年大晦日。

世の人々が忙しなく走り回り新たな年に備える中、悠々と牛タン専門店利久へ歩く人影があった。

せっかくの大晦日、年の瀬に何か美味しいものを食べたいと思うも行きつけの店はほとんど休業中。新規開拓を余儀なくされた哀れなる捕食者<ハンター>、みなみである。

幸いにも朝のバイト先が利久パセオ店の近所だったためバイト後に少し時間を潰し、開店時間に合わせて利久にやって来たのだ。

 

午前10時50分、利久の前には既に15人ほどが並んでいる。

しかしみなみは慌てない。時間を潰しつつもしっかりと店の下調べは行っていたのだ。

食べログによるとこの店の収容人数は72人。たかだか15人程度では待ち時間に差は生まれないのだ。落ち着いて列に並んだ。

列でTwitterを嗜んでいるうちに開店時間と相成った。

1人客はカウンター席に通される仕組みらしく、例に漏れずみなみもカウンター席に通された。

席に着き、目の前のメニューを開く。

牛タン、牛タン、牛タン…見事なまでにメニューは牛タン料理ばかりであった。

牛タン専門店の名に恥じない品揃えである。

ちなみに定食メニューは大体1500円~2000円(税抜)だ。これを高いと見るか安いと見るかは個人の財政事情と舌の好みに因るだろう。

牛タンシチュー定食なども気になったが何せ初めての店、オーソドックスであろう1500円の牛タン定食を注文した。

8切れの牛タンをメインに麦ごはん、白菜の漬物、南蛮漬け、テールスープが付いてくるお得感溢れる定食である。

注文を済ませ、Twitterを嗜みつつ麦茶を啜っていると、目の前に小鉢が置かれた。

お通しというシステムが大嫌いなみなみは顔に警戒の色を浮かべ店員を見たが、どうやらお通しではないらしい。

小鉢の正体は前菜の『牛タンの醤油煮』だった。

料理が来るまでまだかかりそうだったので小鉢を頂くことにした。

箸で肉を掴み、口の中に迎え入れる。

刹那、みなみは自分がこの店を甘く見ていたことを思い知った。

小鉢は冷蔵庫で冷やされていたのか冷たく、されど冷えた脂特有の不快感は微塵も感じないまま口内の熱で肉の脂が解けていく。

味付けは濃すぎず、少し物足りない程度に抑えられておりメインである定食を前に食欲が呼び起された。

仮にこの小鉢がお通しだったとしても許せる。そう思えた。

そして、満を持して牛タン定食の登場である。

 牛タンには一味を、テールスープには胡椒を好みでかけるのが良い、南蛮漬けはとても辛いから注意すべしとの言葉を残し店員は去って行った。

まず手始めに牛タンのみをいただくことにした。肉そのものを味わう行為は肉に対する礼儀であり、義務である。箸で1切れ掴み、口へと運んだ。

なんということでしょう。肉が前歯だけで噛み切れるじゃありませんか。

今まで数々の肉を嗜んできたみなみであるが、ここまで歯切れの良い肉は久々である。

さらに奥歯で噛むと、サクサクとした歯ごたえと共に口の中に肉の脂と塩味が広がり、至高のひと時を堪能した。

次は牛タンをご飯と共にいただく。

牛タンを麦ごはんの上に乗せ、ごはんを牛タンで包み口の中へ。

塩で味付けされた肉がご飯と絡み合い、絶妙な旨味を醸し出す。

以前『ご飯は肉のオフトゥンである。』との格言を生んだ戦士がいたが、まさしくその通りであった。

口の中に残る脂は付け合せの白菜がさっぱりと切ってくれる為、口の中をリセットして次の1切れへと挑める。まさに黄金のサイクルである。

そうこうしているうちに牛タンを4切れほど食べ進め、みなみは南蛮漬けの存在を忘れていることに気が付いた。

とても辛いと言われていたので少量を箸でつかみ、恐る恐る口の中に入れる。

その瞬間はただ塩辛いだけの漬物だったが、約5秒後徐々に辛さが襲って来た。

慌てて麦ごはん掻き込むも、中々辛みが収まらない。牛タンの付け合せにするには余りにも破壊力が大きすぎる一品である。

南蛮漬けにペースを乱されるも何とか牛タンを完食し、テールスープへと移行した。

スープにはネギがたっぷりと入っており脂で疲れた胃を優しく包み込んでくれる。

合間に食べる牛テールも程よく肉が締まり、牛タンとは違った歯ごたえが楽しめた。

古来鶏口となるも牛後となるなかれとは言ったものの、牛尾は中々に良いものである。

定食を食べ終え、みなみは〆に入った。そう、デザートである。

席の前にずっと『ずんだアイスぜんざい』なる物のポップが置かれている状況で気にならないのは、北大アイス同好会会長失格である。

もちろん注文し、席に届くのを今か今かと待った。

アイスは存外早く届き、みなみは天国へと旅立った。

ずんだアイス、粒あん、白玉、生クリームが美しく盛り付けられ、見た目にも楽しいアイスクリームが400円(税抜)で食べられるのである。今年の穢れが全て濯がれ、新たなる年に向けて一歩を踏み出す覚悟が出来た。

ちなみに、味の感想は割愛するのでぜひ個人で食べに行ってほしい。

デートに使っても良いんじゃない(多方面への煽り)

質の良い食事に満足し、みなみは笑顔で席を立った。会計は2052円。

昼食代にしては大きい数字かもしれないが、決してこれが高いとは思わない。

この値段は素晴らしい肉、アイス、何より店に対する敬意を表しているのだ。

 

おわり

 

~追記~

今回食べた牛タン定食は牛タンが8切れ付いてくるが、油ものが苦手な人、あまり食べられない人は牛タンが6切れの定食や4切れの定食を選ぶと良いだろう。

恐らく8切れだと初めは美味しいが後がきついと思う。