みなみレポ寄せ集め

みなみレポ

利久にたずねよ~狂おしき<肉>の快感。~

時は平成二十六年大晦日。

世の人々が忙しなく走り回り新たな年に備える中、悠々と牛タン専門店利久へ歩く人影があった。

せっかくの大晦日、年の瀬に何か美味しいものを食べたいと思うも行きつけの店はほとんど休業中。新規開拓を余儀なくされた哀れなる捕食者<ハンター>、みなみである。

幸いにも朝のバイト先が利久パセオ店の近所だったためバイト後に少し時間を潰し、開店時間に合わせて利久にやって来たのだ。

 

午前10時50分、利久の前には既に15人ほどが並んでいる。

しかしみなみは慌てない。時間を潰しつつもしっかりと店の下調べは行っていたのだ。

食べログによるとこの店の収容人数は72人。たかだか15人程度では待ち時間に差は生まれないのだ。落ち着いて列に並んだ。

列でTwitterを嗜んでいるうちに開店時間と相成った。

1人客はカウンター席に通される仕組みらしく、例に漏れずみなみもカウンター席に通された。

席に着き、目の前のメニューを開く。

牛タン、牛タン、牛タン…見事なまでにメニューは牛タン料理ばかりであった。

牛タン専門店の名に恥じない品揃えである。

ちなみに定食メニューは大体1500円~2000円(税抜)だ。これを高いと見るか安いと見るかは個人の財政事情と舌の好みに因るだろう。

牛タンシチュー定食なども気になったが何せ初めての店、オーソドックスであろう1500円の牛タン定食を注文した。

8切れの牛タンをメインに麦ごはん、白菜の漬物、南蛮漬け、テールスープが付いてくるお得感溢れる定食である。

注文を済ませ、Twitterを嗜みつつ麦茶を啜っていると、目の前に小鉢が置かれた。

お通しというシステムが大嫌いなみなみは顔に警戒の色を浮かべ店員を見たが、どうやらお通しではないらしい。

小鉢の正体は前菜の『牛タンの醤油煮』だった。

料理が来るまでまだかかりそうだったので小鉢を頂くことにした。

箸で肉を掴み、口の中に迎え入れる。

刹那、みなみは自分がこの店を甘く見ていたことを思い知った。

小鉢は冷蔵庫で冷やされていたのか冷たく、されど冷えた脂特有の不快感は微塵も感じないまま口内の熱で肉の脂が解けていく。

味付けは濃すぎず、少し物足りない程度に抑えられておりメインである定食を前に食欲が呼び起された。

仮にこの小鉢がお通しだったとしても許せる。そう思えた。

そして、満を持して牛タン定食の登場である。

 牛タンには一味を、テールスープには胡椒を好みでかけるのが良い、南蛮漬けはとても辛いから注意すべしとの言葉を残し店員は去って行った。

まず手始めに牛タンのみをいただくことにした。肉そのものを味わう行為は肉に対する礼儀であり、義務である。箸で1切れ掴み、口へと運んだ。

なんということでしょう。肉が前歯だけで噛み切れるじゃありませんか。

今まで数々の肉を嗜んできたみなみであるが、ここまで歯切れの良い肉は久々である。

さらに奥歯で噛むと、サクサクとした歯ごたえと共に口の中に肉の脂と塩味が広がり、至高のひと時を堪能した。

次は牛タンをご飯と共にいただく。

牛タンを麦ごはんの上に乗せ、ごはんを牛タンで包み口の中へ。

塩で味付けされた肉がご飯と絡み合い、絶妙な旨味を醸し出す。

以前『ご飯は肉のオフトゥンである。』との格言を生んだ戦士がいたが、まさしくその通りであった。

口の中に残る脂は付け合せの白菜がさっぱりと切ってくれる為、口の中をリセットして次の1切れへと挑める。まさに黄金のサイクルである。

そうこうしているうちに牛タンを4切れほど食べ進め、みなみは南蛮漬けの存在を忘れていることに気が付いた。

とても辛いと言われていたので少量を箸でつかみ、恐る恐る口の中に入れる。

その瞬間はただ塩辛いだけの漬物だったが、約5秒後徐々に辛さが襲って来た。

慌てて麦ごはん掻き込むも、中々辛みが収まらない。牛タンの付け合せにするには余りにも破壊力が大きすぎる一品である。

南蛮漬けにペースを乱されるも何とか牛タンを完食し、テールスープへと移行した。

スープにはネギがたっぷりと入っており脂で疲れた胃を優しく包み込んでくれる。

合間に食べる牛テールも程よく肉が締まり、牛タンとは違った歯ごたえが楽しめた。

古来鶏口となるも牛後となるなかれとは言ったものの、牛尾は中々に良いものである。

定食を食べ終え、みなみは〆に入った。そう、デザートである。

席の前にずっと『ずんだアイスぜんざい』なる物のポップが置かれている状況で気にならないのは、北大アイス同好会会長失格である。

もちろん注文し、席に届くのを今か今かと待った。

アイスは存外早く届き、みなみは天国へと旅立った。

ずんだアイス、粒あん、白玉、生クリームが美しく盛り付けられ、見た目にも楽しいアイスクリームが400円(税抜)で食べられるのである。今年の穢れが全て濯がれ、新たなる年に向けて一歩を踏み出す覚悟が出来た。

ちなみに、味の感想は割愛するのでぜひ個人で食べに行ってほしい。

デートに使っても良いんじゃない(多方面への煽り)

質の良い食事に満足し、みなみは笑顔で席を立った。会計は2052円。

昼食代にしては大きい数字かもしれないが、決してこれが高いとは思わない。

この値段は素晴らしい肉、アイス、何より店に対する敬意を表しているのだ。

 

おわり

 

~追記~

今回食べた牛タン定食は牛タンが8切れ付いてくるが、油ものが苦手な人、あまり食べられない人は牛タンが6切れの定食や4切れの定食を選ぶと良いだろう。

恐らく8切れだと初めは美味しいが後がきついと思う。

 

 

 

 

 

ママチャリ遠征レポ~みなみとくさきょーの小樽遠征~

2014年7月某日。テスト勉強に疲れたみなみとくさきょーは生産性の無い会話を垂れ流すだけの機械となっていた。

テストが終わったらあのアイスが食べたい、あそこへ行きたい、等々話題は尽きず、一般的な女子大学生の姿がそこにあった。

テスト期間中において、テスト期間終了後に思いを馳せる事は最高の快楽だ。

みなみもくさきょーも例外なく快楽に身を委ね、テスト期間終了後の計画を立てに立てた。もちろん、この計画のうち1つか2つでも実行出来れば御の字である。

しかし、この計画の中でも1番ハードなものが今回実行されてしまった。

そう、「ママチャリで小樽まで行く」である。

実はくさきょーは1度チャリ小樽を経験しているのだが、その時は時間が遅かったせいであまり小樽を満喫できずに終わってしまったようなのである。

そしてみなみは最近人気のマンガ、弱虫ペダルを読み自転車へのモチベーションが高まっていた。

昼の小樽を満喫したいくさきょーと、とりあえず自転車でどこかへ行きたいみなみ、利害の一致であった。

 

 

 

2014年8月20日午前10時、待ち合わせ場所である定食屋の前にみなみは相棒のママチャリ(2013年4月にホームセンターで購入、9800円)と共に立っていた。

装備はジーンズ(ユニクロで購入)にシャツ(しまむらで購入)、パーカー(ユニクロで購入)、リュック(しまむらで購入)である。何らかのアクシデントで駄目になっても大丈夫な服を選んだ結果こうなった。

普段からユニクロやしまむらばかり着ている訳では無い。断じて無い。

1年生の頃クラスの男子に裏で「アイツ全身ユニクロだぜw」と笑われていたみなみさんがいたらしいが、それは同姓同名のよく似た別人だろう。あの野郎絶対に許さん。

 

みなみの到着の数分後にくさきょーも相棒のママチャリ(緑色、泥除けに駐輪場のシールが貼ってある)と共に到着した。会話もそこそこにルートを確認、飲み物を調達していざ出発である。

ルート確認といっても地図を読むスキルも低く情弱気味のみなみはチャリ小樽経験者のくさきょーの後をただ付いていくだけであった。本当にくさきょーには頭が上がらない。

出発して30分、まだまだ市街地からは抜けず、ひたすら西へ西へとペダルを回し続けた。八軒、発寒、手稲……この辺りはあまり急な坂もなく、雑談をしながら順調に進んでいけた。

手稲区ゆるキャラ、ていぬ君が地面に描かれていたのは中々シュールであった。

 

出発して1時間もすると市街地を抜け、工業地帯に突入した。

連続した坂こそ無いものの、いくつかの上り坂を経て早くもみなみは体力を失っていた。気温はそう高くないはずなのに流れ出てくる汗、太腿に張り付くジーンズ。不快指数が上昇していくのを感じた。

工業地帯を抜けた頃にはもはやペダルを回すだけの寡黙な仕事人となり果てた。

しかし、風景はコンクリートジャングル育ちの人間の心を潤す自然あふれるものとなっており、みなみはこれだけでもペダルを回し続けた甲斐があったと思った。ちょろい女である。

そうこうしているうちに、遂に銭函までたどり着いた。何だかんだで小樽までの道のりの半分を制覇したのである。

銭函駅周辺は自然豊かで、山も川もありとても美しかった。

この美しい自然が牙をむいて襲い掛かってこようとは誰が想像しようか?

 

銭函駅を通りすぎて数分もしないうちにみなみは絶望に打ちひしがれた。坂、坂、漕げども漕げども坂が終わらない。

常日頃からアイスを食べて碌に運動もせず、無駄な肉を蓄えた足は山に屈服するしかなかったのだ。

自転車を押して歩けば移動速度が格段に落ちる。かといって自転車に乗ればペダルが回らない。ここが一番の難所であった。

結局自転車に乗る道を選んだみなみであったが、頭の中では弱虫ペダルの挿入歌が延々と流れていた。挿入歌が流れてもペダルを回す速度は全く変わらなかった。

最近のスポーツマンガでは若者の人間離れが進んでいるようであるが、ママチャリでロードバイクに匹敵する速度で上り坂を登る高校生もこの例には漏れないようである。

 

何とか山を越え、満身創痍となったみなみとくさきょーは休憩欲が格段に高まっていた。そんな時に目に入ったのが「あいすの家」という看板であった。

奇しくもみなみとくさきょーはアイス同好会幹部である。と言うか創設者である。

そんな我々が「あいすの家」に反応しないという事が許されるだろうか?いや、許されない。

ネオジム磁石に引きつけられる鉄屑のようにみなみとくさきょーは「あいすの家」に入った。

みなみはコーヒーフロートを、くさきょーはアイスソフトを注文し、休息を取った。

アイスというチートアイテムを摂取し、体力と士気が大幅に回復したのを感じた。

 

Twitterへのアイステロも完了し、みなみとくさきょーは再び足を動かした。

高まる士気はどんどんペダルを回す。流れる汗も不安定な天候も気にならない。

ひたすら西へ進み、出発より2時間、遂に小樽築港へと到着した。

小樽を夢見て山道を進んできたのだ。そして何より、小樽築港駅にはファッションセンターしまむらがあった。

みなみのテンションは上がらざるを得なかった。

しかし、小樽築港は「小樽」と付いているものの本来の目的地である小樽駅ではない。

目前にまで迫った目的地に向けてみなみとくさきょーは市街地を駆けた。

市街地は銭函周辺ほどではないものの上り坂がきつく、まさに最後の試練であった。

小樽はよ!小樽はよ!という会話をしながらペダルを回し、回し、小樽駅にたどり着いた。

出発より2時間45分、長い長い道のりであった。

 

自転車置き場に自転車を止め、弾かれるように小樽の街へとくり出した。

アイスクリームを食べ、コロッケを食べ、アクセサリーショップやガラス細工の店を見て回り、ソフトクリームを食べ、とにかく食べ歩いた。

みなみが店員さんに外国人と間違われる謎のイベントもあったが、とにかく楽しかった。

余談ではあるがみなみが旅行先で外国人に間違われるのは3回目である。

 

小樽を満喫し、時刻は16時45分。

帰りは下り坂が多いとはいえ、2時間はかかるだろうとの判断から小樽を出発した。

あっという間に小樽築港を通過し、山道に入ったがここも殆どが下り坂であった。

長い長い下り坂で、みなみは身体を倒した方が風の抵抗が少なくなって自転車のスピードが上がるという事を身をもって体験した。気分は御堂筋翔である。

一か所緩やかな長い上り坂はあったものの、銭函周辺の坂を乗り越えた我々の敵ではない。順調に進み、札幌市へと突入した。

順調すぎて特筆すべきことが無いレベルに順調であった。

あえて書くとするなら、行きには山岡屋が一軒しか無かったのに帰りには二軒あったことぐらいだろうか。

道が違うのだから当たり前である。

 

何はともあれ小樽を出発して2時間15分、みなみとくさきょーは北大へと帰還した。

移動時間総計5時間、移動距離約70kmの長旅であった。

 

くさきょーと別れ、家へと帰り着いたみなみは泥のように眠った。

机の上では、リュックからはみ出たパンフレットの、「札幌・小樽間は電車で最速32分!」の文字が輝いていた。

 

 

~総評~

気温が23℃と低く、天候も曇りだったことから今回はあまり熱中症の心配をしなくて済んだが、夏に行くなら熱中症の事も考慮すべきであろう。

ジーンズは風通しが悪いうえに汗で張り付いて不快なのでいっそジャージで行くのが良い。

合羽を忘れた。今回は雨に降られることは無かったが、持って行くべき。

車線の関係上行きと帰りで違う道を通らざるを得ない。帰りに道を間違えないように気を付けよう。

先導してくれたくさきょーさん本当にありがとうございました。とても楽しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

山パンレポ(2014年4月20日)

~山パン簡易報告書NO.2~
今回は洋菓子課のシュークリームラインに配属された。
名前の通りシュークリームを作るラインである。
実はみなみ、この日に新歓イベントの一環としてケーキバイキングに行っていたのでモチベーションはあまり高くなかった。
新歓でケーキバイキングに行けるなんて流石優良サークルわだち。今日の夕方6時半からのコンサートに行きたくなっちゃうなぁ。
下手な宣伝はさておき、シュークリームラインはクールデリカに比べ人が少ない。見える範囲では4人ほどしかいなかった。
最初の仕事はクリームを入れるときに生地表面についてしまったクリームを拭う仕事だった。
シュークリームが流れてくる、拭く、流れてくる、拭く、の繰り返しである。
延々とその作業を繰り返すのでシュークリームが食べ物に見えなくなった。
単純作業で体はあまり疲れないのだが、甘ったるい匂いには辟易した。
空腹状態ならまだ気持ちが悪くなることは無かったのかもしれないが、ケーキバイキング後の甘い匂いは拷問でしかない。
ケーキバイキングでの「こんなにシュークリーム食べて今日シュークリーム課とかだったら笑うわw」という自分の発言を思い出して泣きたくなった。
全く笑えない。
身体が甘い匂いに耐え切れなくなった辺りで食事休憩を許された。みなみは駈けた。安息の地、食堂へと。
この日の夜食は塩ラーメンだった。今までこんなにもラーメンがおいしいと感じたことがあっただろうか?いや、無い。
汁まできれいに飲み干し、休憩室で少し横になった。前回は休憩終了の10分前にはラインに戻っていたのだが、そんな意識の高さなどとうに失っていた。
休憩終了後もクリームを拭う作業は続いた。しかし、体も慣れてきたようで甘い匂いはそんなに苦痛ではなくなっていた。
このまま勤務終了まで耐えられるんじゃないか?そう思った矢先に今までとは比べ物にならない甘ったるい匂いがラインの奥から漂ってきた。
エクレアである。次にみなみに与えられた仕事はエクレアからはみ出すクリームを拭いつつ、チョコが機械に挟まらないように随時掃除をする作業だったのだ。
いちごエクレアのチョコはべたつきやすい上にとんでもなく甘ったるい匂いを発する。この作業中みなみはずっとライフポイントを削られていた。
普通のエクレアでも同様の作業をやったが、普通のチョコはいちごチョコより扱いやすかった。
エクレアが終わればトイレ休憩を許され、またシュークリームのクリームを拭う作業に戻った。
この作業は1時間ほど続き、いい加減飽きてきて鼻歌を歌いだす頃にやっと終了した。
時刻は午前3時、シュー生地を焼き上げる鉄板を拭くよう指示さえ、かなり早いが今回の仕事は終わったかのように思えた。
鉄板を拭いて5分、何やら奥から見覚えのある形のものが大量に流れてきた。そう、ぷ○たまである。
大量のぷに○まが流れてくるや否や、掃除をしていたはずの社員さんがクリームを詰め始めた。
「みなみさん、さっきと同じようにぷにた○のクリーム拭ってくれる?」
死刑宣告である。
みなみはフラフラとラインの定位置に戻った。もはや目は生気を失っていた。
拭いて、拭いて、拭いて、拭いて……いったい何個の○にたまを拭いただろうか?いったいどれだけのクリームを拭っただろうか?
時刻は午前4時半、単純作業で体感時間が遅くなっている中、とうとう睡魔に勝てなくなってきた。
時折舟をこぎクリームを拭い忘れて社員さんに注意されるも中々体は言うことを聞いてくれない。
「ほら、6時までだから頑張って!」
あ、しっかり6時までやるんだ。
前回のクールデリカ課では定められた量を早めに作り終えたので4時半にあがる事ができた。
しかし、今回それは許されない。この作業に終わりはない。
そう認めた瞬間みなみは自我を失った。延々と、延々と6時までクリームを拭い続けた。
6時になり、あがっても良いと言われた瞬間みなみはラインを後にした。一刻も早くぷ○たまの無い場所に行きたかった。
脱出を図るみなみの後ろではラインを延々とぷに○まが流れていた。
お金より大事なものがある、ぷにた○がそう言ったような気がした。

結論:単純作業だと眠気との戦いが辛すぎる。甘い匂いは鬼門。

洋菓子課シュークリームライン
忙しさ:★★☆☆☆
人間関係の悪さ:☆☆☆☆☆
ラインの速さ:★★☆☆☆
飯テロ:☆☆☆☆☆

山パンレポ(2014年4月13日)

~山パン簡易報告書~
今回はクールデリカという課に配属された。
サンドイッチやお弁当を作る課である。
説明もろくにされないままラインに配置されたときは死ぬかと思った。
最初の仕事は、チーズをパンに乗せることだった。
ベルトコンベアを流れてくるパンにチーズを乗せるだけの簡単なお仕事だが、ベルトのスピードが速いせいでけっこうキツい。
チーズ同士がくっついて剥がれないなんてことがあるとパンが先に流れて行ってしまった。
その後も一通り似たような作業をし、22時頃休憩に入った。
個人的には2時くらいに休憩したかったと思わないでもない。
休憩中はパンを貪り食った。
菓子パンしか置いてないくせにまるごとバナナは無かった。意識が低いと思った。
とりあえずパンを3つ食べて満足し、再びラインへ。
クールデリカは匂いがあまりないので食欲に影響は無かった。
休憩後もサンドイッチ生産はどんどん続く。ここでは機械が人を操っているのだ。
流れてくるパンに延々ハムを乗せたと思ったら次はレタス、はたまたパッケージのシール貼り、仕事が着々と変わっていく。
慣れてきたと思ったら次の仕事に変わるので、退屈にはならなかったが大変だった。
そして、人が作業するのと時間帯が遅いのもあり生産ミスも多々起こる。
例えば、トッピングをかけ間違えたりパンが床に落ちたりだ。
そういった不良品は容赦なく廃棄されていった。現実は残酷である。
延々サンドイッチを作り、ひと段落ついたと思えば今度はお弁当を作る仕事である。
決められた食材を詰めるだけの仕事、海苔をご飯の上にかける仕事はまだ楽だったのだが、肉をご飯が見えないように並べる仕事は人間の限界を超えていた。
この仕事でみなみはラインに付いていくのを放棄した。
また、深夜2時に目の前を延々とおいしそうな弁当が流れてくるのである。もっとパンを食べておけばよかったと思ったのはみなみだけではないだろう。
弁当の仕事が終わったかと思えば再びサンドイッチにハムを挟む仕事に戻った。
時刻は午前3時。もはや本能でハムを挟んでいた。
ハムを挟むこと1時間、ついに今回のノルマを達成した。
30分掃除をし、上がっても良いとの指示と同時にラインを後にした。空気を読む能力など疲れの前では皆無である。
終業報告を書いた後更衣室で即座に作業着を脱ぎ、そのまま休憩室で泥のように眠った。
女性アルバイターの姿がまったく見えなかったが、きっと更衣室の畳で寝ていたか家に帰ったのだろう。
6時15分、送迎バスにて恵庭駅へ。明らかにバス内の人数がアルバイトの人数より少なかった。
何人かは寝過ごしているに違いない。
恵庭駅から快速に乗ればいいと思ったが、朝6時半に快速は走っておらず、41分発の普通電車で帰った。
まさかの通勤通学ラッシュで座れず、40分以上立ちっ放しを余儀なくされた。
正直この電車が一番辛かった。山パンよりもである。
7時41分、やっとの思いで帰宅。途中のコンビニでついさっきまで作っていた弁当が並んでいるのを見たときは乾いた笑いが出た。
風呂に入り、髪の毛が乾いたのを確認した瞬間深い眠りに落ちた。
午後からの授業さえなければ最高であった。

結論:(今回は)作業自体は闇ではなかった。ただ、帰りの電車と翌日の眠気が闇。

クールデリカ課
忙しさ:★★★★★
人間関係の悪さ:★☆☆☆☆
ラインの速さ:★★★★☆
飯テロ:★★★★☆

 

戦闘レポ①~The war of 蛾~

8月4日午後2時、アイスと昼食を食べて意気揚々と帰ってきたみなみは駐輪場の惨状に目を奪われた。
壁に張り付く蛾、地面に落ちた蛾の死骸からはみ出る卵、蛾の羽のようなもの。世はまさに蛾の天下であった。
蛾に攻撃されること3回、室内に侵入されること1回、みなみはもう我慢の限界である。蛾の駆逐を決意した。
駐輪所からツルハに向かい、殺虫剤を購入しようとするも何と蛾に効きそうな殺虫剤が売っていない。
850円の殺虫用冷却スプレーを買う勇気も財力も無い。早くも計画に暗雲が立ち込めた。
とりあえず部屋に戻り、有り合わせのものでどうにかしようと試みる。
Twitterで蛾に噴射するものを募集し、紆余曲折ありヘアスプレー(ハード)とキッチン泡ハイターを噴射することにした。
蛾の死骸からはみ出た卵は蝋燭とマッチとチャッカマンで燃やすことにした。
蛾と不用意な接触があってはならない。長ズボンのジャージを履き、長袖の上着を着、マスクをする。これで準備は整った。
防具代わりのビニール傘も持ち、いざ出陣である。みなみは寮のドアを開けた。暑い。みなみは上着を脱いだ。
まずは動き回る生体から駆逐する。自主的にキッチンの掃除をすることの多いみなみはキッチン泡ハイターの扱いには自信がある。
とりあえず壁面に張り付く蛾にこれを噴射することにした。
1射目。蛾の右半身に命中。蛾は壁面から落下した。
どうやら泡が羽に絡みついて飛ぶ力を奪ったようであった。
2射目。地に落ちた蛾に狙いを定めることなど容易。蛾の頭に命中した。
脚をばたつかせて蛾がもがく。
3射目。念には念を入れ蛾の左半身も泡で覆う。
蛾は僅かに脚を動かすばかりでその場から動かなくなった。
アルカリ性の泡で全身を覆われた蛾など長くはなかろう。一旦その蛾を放置して、別の蛾を駆逐することにした。
みなみは次の個体目掛けヘアスプレーを構えた。
防具代わりの傘を構え、噴射。確かに命中したのだが、蛾は動く気配がない。
もう少し距離を縮め、至近距離から噴射。蛾が動いた。
ハードタイプのヘアスプレーだったので多少は蛾の動きを奪うかと期待したが、蛾は意にも介さずこちらに向かってきた。
傘を身体前面に構え、モンハンで鍛えた回避スキルで蛾から身を守ることに成功した。蛾は地面に落ちた。
とりあえずキッチン泡ハイターを噴射しておいた。
マスク越しに塩素の匂いが漂う。泡ハイターの短所はこの匂いなのではないかと思いつつ、卵の駆逐へとフェーズを移行した。
卵は燃やす。それが一番確実な手段だと思っていた。
一番初めに泡ハイターで駆逐した個体の上に焚火の要領でマッチを乗せ、点火。
一気に燃え上がるかと思いきや泡の水分で火が消えた。考えてみれば当たり前のことである。
マッチを4本消費したところでみなみは悟り、黙ってマッチを処分した。
次は蛾の死骸からはみ出た卵に狙いを定め、持参した蝋燭に火をつけた。
蝋燭を傾け、蝋を卵に垂らしつつ燃やす。そのはずだった。
蝋燭を傾けた瞬間火が消えた。そう、ここは屋外。風が火を消してしまったのだ。
再びマッチと蝋燭を駆使し、卵の息の根を止めようとするも、火はすぐに消えてしまう。
身体を張って風から守っても少し燃焼時間が長くなった程度であった。何とも親不孝な火である。
どうにか卵全体を焦がすことに成功した時には15分が経過していた。
まだまだ卵はあったものの、これ以上屋外にいたくない、部屋でモンハンをやりたいという思いがみなみを4階の自室へと押し上げた。
手からはほんのり塩素の匂いが漂っていた。


今回使用した武器の評価

<キッチン泡ハイター>
蛾の動きを奪い、息の根を止めることができる優れもの。
しかし、匂いがキツい上にほとんど液体なので室内での使用は難しい。
安価。

<ヘアスプレー(ハード)>
全く役に立たない。固められるのは髪の毛だけ。